◆「妊娠してて」「介護があって」と断られ続ける

 しかし、田中さんが直接お願いに行った先は、下の子がいなくても家庭の事情で朝の旗振りはできない家庭がほとんどでした。

「妊娠中なんです」「親の介護があって」「出勤がちょうど8時で」など、予想はしていたものの、平日の朝に旗振りとして立てるのは限られた人だと実感した恵美さん。

「結局、皆さんに事情を説明して地域の方に力を借りる事にしたんです。子育てを卒業している地域の方は、朝8時の旗振りも笑顔で引き受けてくれました。『子どもが好きだし、頼ってくれたら嬉しい』『時間もあるし、地域の役に立てるなら』と言ってくださる年配の方は思ったより多かったですね。正直、旗振りは地域の有志の方々にすべてお願いしてもいいのではと考えてしまいました」