この『量産型リコ』もグルメドラマの手法を用いることで「プラモ作りの気持ちよさ」が見事に映像化されている。本作のプラモ作りの場面では、プラモのパーツをペンチで切り取っていく様子をリズミカルに見せ、各パーツがパチッとハマる瞬間の心地よさや、エアブラシで塗装していく楽しさを追体験させてくれる。
何より、リコがプラモ作りに没入している姿がとても魅力的だ。リコを演じる乃木坂46の与田祐希がプラモ作りに集中している時に見せるキリッとした表情は実に美しく、女性アイドルが出演するドラマに求められる、女優を魅力的に撮るという課題を完璧にクリアしていると言えるだろう。
なお、タイトルの「量産型」とは、ロボットアニメ『機動戦士ガンダム』に登場する量産型モビルスーツのザクから取られたものだが、仕事は起用にこなしているが、突出した個性も情熱もないため「量産型」と揶揄されているリコの姿とも重ねられている。
近年、おしゃれでかわいいが、他の子と見分けがつかないファッションの女子を「量産型女子」と呼ぶ風潮がある。当初は揶揄する言葉として用いられていたが、「量産型女子です」と自称する若い子が増えたことで、プラスのイメージとしても使われるようにもなってきている。
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