出世しないことの危うさは?

出世しないデメリットとしては、以下のようなものがあります。

・専門性に頼るだけで育成や総合的なマネジメント能力が身に付かない
・年数を経てもリーダーシップをとることができない

企業では就業規則に昇進についての記載があり、昇進を拒否することは認められないのが一般的です。そのため、出世意欲がなく、待遇に対して否定的な印象を抱いている若者が管理職への昇進を命じられた場合、転職という手段を取るケースが考えられます。

会社側は、次世代の管理職が育たない、候補者が不足するという事態に陥る可能性があります。そのため、管理職を中心とした企業のマネジメント方針、管理職に対するイメージや報酬、制度などを変えていく必要があるでしょう。

個人事業主として「出世」とは無縁になるという選択肢も

出世したくないならば、会社を辞めて独立し、個人事業主として事業を行っていくという方法もあります。出世のビジョンが見えない、出世にメリットを見出せないといった人にとっては、会社に勤め続けるよりも働き甲斐があるともいえます。専門性を身に付けて独立の準備をしていれば、個人事業主として成功することもできるでしょう。

若者の出世拒否は加速する一方?

出世によってこれまで以上に責任や負担が増え、組織としての成果を求められるプレッシャーも大きくなるなど、デメリットばかりが感じられるようならば、若者の出世拒否は加速する一方です。

将来的な管理職不足を防ぐためにも、価値観の変化とともに制度や組織の在り方も変化していくかもしれません。

文・岡本一道
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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