出世をしたくないと考える会社員が、若者を中心に増えています。背景には、管理職になれば責任や残業が増える、給与が上がらないといったマイナスイメージの浸透があります。今回は、出世を避けたがる若者の心理や、出世しないことのメリットとデメリットなどについて解説します。

出世を嫌う若者の心理

かつては、一つの会社に勤め続けて管理職やリーダーになることを仕事のモチベーションにし、目標とするのは当然と考えられていました。しかし現在、出世を肯定的に捉える若手社員は全体の過半数にも届かないといわれています。

若者が昇進・昇格を拒否する大きな要因の一つが、責任や業務負担の拡大です。一方で、労働基準法上では一定の管理職以上に残業代を支給する必要がありません。成果と責任を問われ、時間的・金銭的にも報われていない上司を見て、若手や中堅社員の意識が変化しているのです。

仕事で成果を上げるよりも、自分のライフスタイルを優先したいと考える若者の価値観も一つ。働きに見合った報酬や仕事への意義を見出せない中で、自分の生活を犠牲にしたくないと考える若者が増えています。

女性に至っては、管理職になることで結婚や出産、子育てに支障が出ると考える人も少なくありません。会社における女性管理職の前例が少ないなど、働く女性のライフキャリアを実現しにくい現代の課題も潜んでいます。

出世しないことのメリットとは?

では、出世しないことによるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

専門的なスキルを伸ばせる

管理職になればそれまでの現場を離れ、部下の指導や管理、スケジュール調整や予算管理といったマネジメント業務が中心になります。出世を選ばなければ生涯現役を貫くことができ、専門的なスキルを伸ばしていけるでしょう。

プライベートとの両立ができる

管理職になると、業界や会社にもよりますが、これまでより残業が増えて休日返上で仕事にあたることも少なくありません。出世しなければ、趣味に割く時間や家族と過ごす時間を確保でき、ワークライフバランスを取りやすいという利点があります。

副業や残業代で年収を増やせる

最近では空いた時間や休日を利用して副業で稼ぐ若者も増えています。管理職への昇進によって給与が増えても残業代が出ないのが一般的なため、実際には給与が上がらない、または下がってしまうこともあります。出世しなければ、副業をしたり残業したりすることで、年収を上げられる可能性もあります。