「欲望を満たすこと」に着眼点を置いた実験的内容の数々に、ゲスト出演者の秋山竜次(ロバート)は「(企画者であるバカリズムは)すごい領域に行かれてますよ。何かの番組のひとブロックがこれなら分かるけど。(テレビの)電波を買われているんですか?」とお手上げ状態だった。
こういった実験的番組のムーブメントが起きている背景は、さまざまな理由が考えられるだろう。コンプライアンスなど現在の価値観に合わせながもテレビ番組として刺激を追求すること。視聴環境が、テレビからスマホ、リアルタイムから見逃し配信へと移行しつつあり、そういったデバイスやコンテンツも意識した内容を作ろうとしていること。TikTokなどのショート動画で切り抜きが配信されることを念頭におき、短時間でインパクトを残すビジュアル作りをすること。
なんにせよ「シンプルにおもしろいものを作りたい」という意欲という気持ちが、いずれの実験的番組からは感じられる。特に『るてんのんてる』は、「番組として大コケするかもしれないが、とにかくやってみよう」という威勢が伝わってくる。その点で「これをやること自体に意味がある」と思える番組となっている。