『るてんのんてる』ではこういった奇想天外なことが毎週放送されている。「これぞ深夜番組のノリ」だ。同番組ディレクターの一人である中屋敷亮ディレクターは、読売テレビのWEBメディア『読みテレ』に掲載されたインタビューのなかで、『るてんのんてる』に取り組むにあたって同局の『11PM』(1965年~1990年)、『EXテレビ』(1990年~1994年)などを見返したことを明かしている。

「大先輩の方が担当した『EXテレビ』で『低俗の限界』という企画がありまして、これなどはとんでもないなと思いましたね(笑)。上岡龍太郎さんと島田紳助さんがフツーにトークしているのですが、まぁスゴイです。その企画に限ったことではありませんが、先輩たちの番組を観ていると、我々はこういうものがやりたいんだ!っていう芯の部分があって、それがちゃんとエンタメに昇華されているんです。そういうところを見習って今回、僕も挑戦させていただきました」

 現在、全国的にそういった挑戦的な番組が続々と制作されている。たとえば最近では、7月8日放送『バカリズムの欲望喫茶』(テレビ朝日系)が印象的だった。バカリズムいきつけの喫茶店という舞台設定のなか、ゲスト出演者たちがゲームなどを通して「名もなき欲望」を満たしていく内容。それぞれがオチを考えずに見切り発車でエピソードトークをし、どこにも披露できなかった話を「喋る」ということで満足感を得たり、突然かかってきた芸能人からの電話を自分の好きなタイミングでガチャ切りしたり。