ただ、そもそも『るてんのんてる』の番組の趣旨自体が「自由にやる」だ。そのため、ボケ芸人4人は制限が一切かけられない「野放し状態」に。なかでも川原は、トークMCとゲストの横にオペラ歌手を配置し、それぞれの発言をオペラ歌手が歌唱で代弁する内容で進行。一語一句だけではなく、話のテンションやトーンまでオペラで再現され、トークとオペラとツッコミの声があちこちから飛び交う「大渋滞状態」に。ガクは「ストレス、エグい」とツッコミを超えた本音がぽろり。観ているこちらはあまりのカオスぶりに爆笑がとまらなかった。
8月11日放送の企画「#見た目だけTV」は、岸本至生ディレクターのカオスな発想だけではなく「旬」をとらえた目の付けどころの良さが光った内容だった。
ジョニー志村がタモリのモノマネで『ミュージックステーション』風の歌番組を進行。そして演奏を披露するのも、修二と彰、小室哲哉×篠原涼子、哀川翔、マライア・キャリーらのモノマネの人たち。ただ、ミュージシャンのモノマネは、いわゆるソックリさんでもなんでもない。「人生初モノマネ」のモノマネ素人がただただ歌っているだけ。特に酷かった(=おもしろかった)のが篠原涼子。似せようとは一切せず、素人がテレビで自分の歌声を披露していただけなのだ。そういったステージだけで番組を埋めていくなんて、本当にどうかしている!
ただこれは、ジョニー志村のように細部まで再現する「ほぼ本人」なモノマネ芸が大流行していることと、素人によるまったくこだわりがないモノマネを対比させた絶妙な企画内容だった。
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