◆コオロギ食が注目され始めたワケ

 そもそもコオロギ食が大きく注目されるようになったのは、2013年。国連食糧農業機関(FAO)が昆虫は環境負荷の低い有望な食糧源ということで、食糧危機の解決策として推奨したことがきっかけでした。

 その後2018年に欧州連合(EU)が食用昆虫を食品として承認。これを機にベンチャーの参入が活発化してサプライヤーが増加。2025年には世界の昆虫食市場が1000億円規模になるとも予測されています。

 日本において本格的に昆虫食製造の動きが活発になったのは、2020年前後。2019年に無印良品が「コオロギせんべい」を、2020年に敷島製パンが「コオロギのフィナンシェ」や「コオロギのバゲット」を発売するなど、大手企業から登場するようになっています。

 2023年2月から始まった炎上について細かく掘り下げて、どちらが正しいかなどを議論するつもりはありません。そもそもコオロギ食についてはさまざまな意見があり、さまざまな人が発言をし、行動していることは事実です。

 そこでここでは、敷島製パンの「コオロギのクロワッサン」を実食しながら、コオロギ食について冷静に知っておくべき事実や現状を整理していきたいと思います。