ジェーン・スーさんによるはじめてのインタビューエッセイ『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』(文藝春秋)には、13人の女性の人生が詰まっている。私たちがメディアで見ると彼女らは「華々しい」と形容するにふさわしい経歴の持ち主だが、実はたくさんの“闘い”があった。「はじめに」から一文を引用する。

「なぜ、自分にはできないと思うのか。うまくいかないときにもめげず、腐らず、頑張った先で花を咲かせた女の話を、ほとんど知らないからではないだろうか」

図書館に伝記本が並んでいたナイチンゲールやくマザー・テレサではなく、いまを生きる女性たちが親しみを感じられる女たちの話を聞き、つづり、一冊にまとめたジェーン・スーさんにお話をうかがう。

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撮影:宮田浩史(以下同)
――ご登場されたみなさん、胸を開いてお話されている様子が伝わってきました。なかには、ご本人にとって苦い思い出になっているのではないかというお話も出てきましたね。

ジェーン・スー:君島十和子さんが結婚されたときの報道や、辻希美さんのブログ炎上などですかね。君島さんについては私も当時テレビや雑誌で見ていたのでよく覚えていますが、ワイドショーではいまとなってはありえないほど追いかけまわしてプライバシーを侵害したり、ぎょっとするほど辛辣なことを言っていたりしましたね。それを20代で耐えたというのは、本当にすごいことだと思います。