◆大喧嘩したからと言って全面戦争になるわけじゃなく…
――1巻2巻を通して、特に力が入ったシーンはありますでしょうか。
新井:結構あるんだけど、一番力いれて描こうって思ったのが、2巻の終わりの海の回。締め切り間際に謎の高熱が2日間くらい出て、雨の中検査に行ったらコロナでもインフルでもなくて、ただの過労だった。でもあの回は楽しいって思えた。主人公2人の関係性をなんとなく馬が合わない程度に書いていたけど、冬実が夏菜に噛みつく場面をどっかでやりたいと思ってずっと大切にしていた。やっとやれたのが、2巻のラストだった。
――あの後、2人の関係性は変わっていくのでしょうか。
新井:大喧嘩したからと言って全面戦争になるわけじゃなく、スルーする。でも日常って結構そうでしょ。
あと、個展で冬実が罵倒したアーティストのしずちゃんが、実はM男さんで常連だったっていう形でまた出てくる。描いててむちゃくちゃ楽しかった。「後からM男さんとして出したいんだけどダメ?」ってゆみこさんに聞いたら、「全然あります」と。
実際に、SM関係のイベントで別の仕事の繋がりの人と偶然会っちゃったことがあるって。お互い気まずいから、目が合ってても「ああ、どうも」って感じで。「まあ、こういうのに割と興味あるんですよねー」って。さっきまでヒィヒィ言ってた人が(笑)。その後、その人からの仕事が増えたって。
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