さらに「ビリオンダラームービー」の最速記録も塗り替えた。これまではハリー・ポッターシリーズの「ハリー・ポッターと死の秘宝パート2」が公開から19日で達成したのが最速だったが、「バービー」は2日も記録を短縮した。
ハリウッドでは、女性向けに、女性が製作し、女性が主役として出演するいわゆる「ガールズムービー」はあまりヒットしないと考えられている。映画の魅力をアピールできる層が限られるほか、「女性は、男性向けの映画を見に行くがその逆はありえない」という不文律があったからだ。「バービー」はこうしたハリウッドの固定観念も打ち破ったことになる。
ハリウッド関係者によると「バービー」の製作に当たり製作・配給会社のワーナー・ブラザースの一部には、1億4500万ドルという多額の製作費をこの映画に投入することに異論があったという。ワーナー・ブラザースとガーウィグ監督、主役のマーゴット・ロビーとの契約には、続編についての条項は含まれていないと米国メディアは伝えており、ハリウッドには古い価値観が製作過程で見え隠れしていたが、「バービー」は笑いを武器にハリウッドと戦い、勝利した。
一方で、大規模できめ細かい消費者マーケティングが「バービー」のもう一つの顔だ。ワーナー・ブラザースとおもちゃメーカーのマテル社は総力を挙げてマーケティング攻勢に出た。マテル社はバービー人形の売り場で映画を大々的に宣伝した。食品や衣料、ゲームなどの消費者向けの商品での提携は160以上に及んだ。
【こちらの記事も読まれています】