日本では8月11日から公開されるコメディー映画「バービー」が、早くも快挙を達成した。北米での劇場上映開始からわずか17日で、チケット売上が10億ドル(1420億円)を超えた。女性が単独で監督した映画が「ビリオンダラームービー」になったのは初めて。ストリーミングの普及、コロナ禍、労働紛争などの映画界の暗雲を女性パワーが蹴散らした。

 映画「バービー」は米国のマテル社の着せ替え人形バービーの実写版コメディー。修行中のバービー人形が人間の世界に飛び出して繰り広げる騒動を描いた。監督は、女優としても知られるグレタ・ガーウィグ。主役のバービーはマーゴット・ロビー、恋人のケンをライアン・ゴスリンが演じている。

 北米などでは7月21日から劇場上映が始まったが、調査会社のコムスコアによると8日6日時点で公開以来の世界のチケット売上が10億3000億ドル(1.03ビリオンドル)に達したという。単独監督作品で「ビリオンダラームービー」を生み出した映画監督は過去に28人いる。いずれも男性だったが、29人目となったガーウィグ監督は初の女性。「バービー」で男社会のハリウッドにくさびを打ち込んだ。