地上波におけるスポーツ中継の限界という意味では、現在開催中のサッカー女子日本代表が出場しているFIFA女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会も難しい状況にさらされた。

 FIFAが設定した同大会のテレビ放映権料は100億円以上と見られ、民放各局は放映権獲得を回避。大会開幕1週間前のギリギリのタイミングになって、NHKが日本戦の放映権を獲得したのだ。グループリーグ第1戦ザンビア戦と第2戦コスタリカ戦の生放送はBSで、地上波での生放送はなし。第3戦のスペイン戦は地上波で生放送された。

「2022年開催のW杯カタール大会も放映権料が高騰してたことが要因となり、すべての試合を地上波で放映することができなかった。男子よりも注目度が低い女子サッカーなので、民放各局が放映権獲得を避けるのも仕方ない部分があります。そもそもFIFAが設定する放映権料が高すぎるということが問題ではありますが、スポーツ中継が地上波向きのコンテンツではなくなってきているのでしょう」(同)

 テレビ放映権が高騰する一方で、FIFAの公式デジタルプラットフォーム『FIFA+』では、女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会の全試合を無料でストリーミング生配信している。試合終了後のアーカイブ配信も無料で、日本語を含む複数の言語による実況もついている。