第2話は、引き続きD組改革の戦術が展開されるという想像を裏切り、場外戦が展開された。九条が敷いたD組監視体制を警戒し、相楽琉偉(加藤清史郎)や西野美月(茅島みずき)のリーダー格は表立ったいじめをセーブし、何事もなかったかのように振る舞う。その裏で「九条里奈対策委員会」という名のグループチャットをつくり、鵜久森を仲間外れにしつつ、九条への対策を練っていた。
そうした中、相楽の命令により、瓜生陽介(山時聡真)と向坂俊二(浅野竣哉)が夜道の九条からバッグを奪おうとする。鵜久森に対するいじめの証拠となる学級裁判の動画データを奪う目的だと意図を理解した九条は、コピーは別にも保存してあると言い、追い払う。そして表向きいじめを受けなくなったことでD組を観察できる立場にあった鵜久森の指摘を受け、九条は瓜生の運命を変えようと決める。父親はおらず、奔放に生きる母親の借金返済のため、幼い弟たちを食わせるために14歳からアルバイト漬けの毎日を送る瓜生は、その家庭環境を誰にも相談できず、苦しんでいた。そして一度目の人生で、瓜生は卒業を待たずに途中で転校せざるをえなくなったことを九条は思い出したのだ。
九条は友人で居酒屋「べすとほっぷ」の店主である早乙女智美(森田望智)を使って、瓜生に「べすとほっぷ」で働かせる形で経済的にひそかに支援しつつ、母親に本音をぶちまけるよう瓜生に促す。「一緒に卒業させてください」と頭を下げた瓜生の親友・向坂の思いを受けて、瓜生はついに母親のこれまでの放蕩を「許せるわけない」とはっきり伝え、その涙の叫びはようやく母親の心に届くのだった。
閉塞した家庭環境に改善の兆しが見え、瓜生にも笑顔が戻る。そして瓜生と向坂は“九条派”となり、鵜久森にこれまでのことを謝罪する。九条が相楽一派だった瓜生と向坂を切り崩すのに成功したのは、D組に大きなインパクトを与えそうだ。相楽の命令に苦々しく言い返すなど反乱の芽はあったといえど、二重三重の作戦で瓜生の問題の解決の手助けをし、反九条派から抜け出す決意をさせた九条の実績は、向坂の言葉を借りれば「本当になんでもやるんだな……」と感嘆しか出ない。