双方とも不倫関係を否定しており、同誌記者に直撃された女性は、菊之助とは面識がないとし、「お稽古場でお見かけするくらい」と答えたものの、その後代理人が「交際関係はございません。尾上さんに芸事の件でご相談をしたことはありますが、それ以上の関係はございません」と説明。同様に直撃された菊之助は、ホテルに女性を招いたことについて「全然、記憶にないです」とまで言い切ったが、業務提携先の事務所は「(ホテルの)部屋滞在は事実です」とあっさり認め、「ですが、仕事の相談に乗る関係でした、とのことです。(「記憶にない」と答えたのは)時間等細かいことは忘れた(との)意味だと聞いてはおります」と説明。いかにも苦しい釈明となった。

 菊之助は名門・音羽屋に生まれ、父は人間国宝の七代目・尾上菊五郎、母は昭和の名女優として知られる富司純子、姉は女優の寺島しのぶという、華麗なる一族で育った。2013年に結婚した妻は、人間国宝の二代目・中村吉右衛門さん(2021年に他界)の四女で、一男二女をもうけている。生前の吉右衛門さんは、娘婿となった菊之助を実の息子のようにかわいがっていたとされ、今回の不倫疑惑について歌舞伎ファンからは「奥さんだけじゃなく吉右衛門さんまで裏切った」といった手厳しい声が飛び交っている。

 菊之助といえば、今春に主演した『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』の公演終盤に年上の50歳の弟子を罵倒し、息子への土下座まで要求したことで、弟子が“怒りの引退”となったなどと報じられ、パワハラではないかと騒がれたことも記憶に新しい。騒動の原因は、弟子が菊之助の9歳の息子・丑之助におしろいの塗り方と着物の着方のことで強めに注意したことだとされ、息子からそれを伝え聞いた菊之助が激高。弟子を自宅に呼び出して丑之助がいる前で罵倒し、「息子に土下座しろ!」と謝罪を迫ったと伝えられている。事実であれば、上品な「歌舞伎界のプリンス」のイメージとは程遠い蛮行だ。

 だが、こうしたトラブルは菊之助に限ったことではない。世間と隔絶した独特の世界である歌舞伎界では、昔から不倫やハラスメントが当たり前のようになっていた面があると指摘されている。