なぜか交錯してしまった、近年のメジャーアイドルシーンと明石家さんまのモノマネを再現VTRなどでしてきた男。世界線の混線。いや、数多の偶然の積み重ねで奇跡的にいまこの瞬間、画面上に焦点が結ばれたという意味では、あのアイドルもこのアイドルも、そしてほいも同様なのだ。世界線を捻じ曲げ本来つながらないものをひとつの文脈につなげるテレビの力をまざまざと感じた。
歌謡祭の間には『27時間テレビ』の通し企画として放送されていた100kmサバイバルマラソンの中継もあった。そこでのハリー杉山や井上咲楽らの走りにはグッときた。さらに、1着の賞金を逃したもののチャレンジャーのなかでリーダー的な存在だったとされる団長安田(安田大サーカス)による「お金ほしー!」という叫びも良かった。一方、画面上では井上咲楽がゴールに倒れ込んでくるといった27時間中でも屈指の名場面が起こっているにもかかわらず、中継先の倉田大誠アナウンサーが事前に用意されたコメントを読み上げるような“実況”を延々としていたところはいただけなかった。
「有吉ダマせたら10万円」の時間も面白かった。足つぼマットの上で『マツケンサンバⅡ』を踊っているのはノブと津田のどっち? といった問題を有吉が見破るわけだが、相変わらず有吉の眼光、追い込む力、見抜く力は鋭い。論拠を示す際のロジックの組み立ても剛腕だ。
そのなかで大悟が150km/hの速球をキャッチできるかの挑戦があり、チャレンジ自体は成功したのだが、有吉はこれに「思ったより速くないんだよなぁ」「誰でもできそう」とコメント。自身も速球キャッチに挑戦し(1球目はミスしたものの)見事成功させた。
「ワシらの良さゼロやん」
有吉のコーナーの最後で大悟がそうつぶやいていたけれど、ほかのコーナーでは状況に合わせてゲームのルールを調整するなど場を回す側に立つことも多かった大悟が、この時間は完全に有吉に回される側になっていた。ガヤをするノブに有吉が斬りつけたり、濱家やユースケが作ったポエムを徹底的にこき下ろしたりする場面もあった。