そして『VIVANT』に追い抜かれるまではトップを走っていたのが森七菜×間宮祥太朗のフジテレビ系月9ドラマ『真夏のシンデレラ』。24日に第3話までが放送され、さすがにお気に入り登録者数の伸びもやや鈍化してきたが、それでもまもなく90万に到達するところ。『真夏のシンデレラ』は世帯視聴率の低さ(初回6.9%、第2話5.4%)から一部で「爆死」などと揶揄されてしまうが、実際には配信人気が高く、放送スタート1週間後の18日時点で初回の見逃し配信は325万再生と好発進を見せている。
また、往年の夏のラブストーリーのベタな要素を散りばめるなど「ネタドラマ」的な側面はあるが、「王道恋愛ドラマならではのファンタジー」を意図してやっており、10代などの若年層からは新鮮に映る内容でもあるようだ。主人公の夏海(森七菜)が身につけるくじらネックレスなど番組公式グッズが完売するといった人気もあり、「世帯視聴率だけで語れないドラマ」の代表格のひとつとなっていくかもしれない。ちなみに先述の『VIVANT』も番組公式グッズに力を入れており、『ルパン三世』や『ウルトラマン』とのコラボTシャツなども売り出されている(どちらも劇中、ある人物が観ているアニメという設定)。
『VIVANT』に続いて放送前のFilmarksクリップ数が多かった松岡茉優主演の日本テレビ系土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』もまた、順調にお気に入り登録者数を伸ばしている。菅田将暉主演で大反響を呼んだ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』のスタッフが関わる謎解き要素も強い作品で、後半に尻上がりに視聴率を上げていった『3年A組』のように、ここから勢いが増す可能性もある。また、『最高の教師』は鳳来高校の3年D組を舞台にしているが、隣の3年C組を舞台にしたクロスオーバー作品『最高の生徒~余命1年のラストダンス~』も存在しており、こちらは別にお気に入り登録者数23.6万人。こちらを足せば100万を超える。学園サスペンスの『最高の教師』とは違い、『最高の生徒』は青春ドラマと毛色が異なるが、共通するキャストがいるだけでなく、『最高の教師』でのエピソードが『最高の生徒』にも登場するなどリンクする仕掛けで、ここがどう機能していくかも注目される。
4位となったのは坂口健太郎主演の読売テレビ制作・日本テレビ系列放送の日曜ドラマ『CODE-願いの代償-』。7月2日に初回放送を迎え、早くも第4話の放送を終えているがゆえに登録者数の伸びはやや落ち着きつつあるが、第4話で謎の一部が解き明かされ、ストーリーも大きく動き出すところなだけに、ここからどうなるか。どんな願いも叶えるという正体不明のアプリをめぐるクライムサスペンスという、マンガ的な世界観の作品だが(台湾ドラマのリメイク)、TVerオリジナルストーリーを配信するなど配信に力を入れており、TVerでの見逃し配信も3話連続で配信3日以内に100万再生突破と好調だ。