ただ山里さんにとある疑問が生じた。それは「隣の席にいたのは本当に澤部一家なのか」ということ。確認する方法が思いつかず、結局本人に聞くという一番格好悪い方法をとった。実際のところ、隣にいたのは澤部さんファミリーだったのだが、急いで食べて急いで会計を済ませようとしている会話までばっちり聞こえていたらしく、先輩芸人としてカッコよく奢りたいという気持ちとは裏腹にカッコ悪い先輩になってしまったようだ。
この話からもわかるように、芸人の世界では先輩が後輩に奢ると言うのは当たり前の行為である。これは先人たちから代々受け継がれている慣習で、先輩芸人や大御所芸人の「奢り」エピソードは数えきれないほど存在している。
有名なところでいうと「ビートたけし」さんのエピソード。贔屓にしているお店にはたけしさん本人が不在でも奢れるように、常にお金が置いてあり、たけしさんが知っているであろう人が来た時にはそのお金から奢るようなシステムにしているとのこと。
それからダウンタウンの松本人志さんは過去30年で後輩に奢った金額は総額1億円を超えていると明かしている。元々吉本興業には先輩が後輩と行動を共にする場合、先輩が全額負担するという不文律があり、食事などはもちろんのこと、旅行などに関しては宿代、交通費など全て先輩持ちになるのだ。この風習は吉本興業だけにとどまらず、芸人全般に広がっており、吉本興業の芸人以外にもこのルールが適用されていた。
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