運命は変えられるという希望と、変えられた運命が必ずしも幸福とは限らないという不安。相反するものが同居するのがこの作品だと思う。7月15日に放送開始となった日本テレビ系土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』の第1話は、令和版いじめ劇のセンセーショナルさに驚かされ、そして役者・芦田愛菜の迫真の演技に引き込まれる高密度の内容だった。
同作品は放送前からにわかに話題を呼んでいた。YouTubeなどで公開された告知ティザーでは、中学生同士の血塗られた争いを描いた映画『バトル・ロワイヤル』にも使われたことでも有名なモーツァルトのレクイエム「怒りの日」をバックに、教室内で三者三様に振る舞う鳳来高校3年D組の生徒30人と、それに無表情で対峙する担任教師・九条里奈(松岡茉優)の構図が映され、「この生徒たちは、1年後、私を殺す30人の容疑者なのだから」という九条の心の声が流れる。その衝撃的な設定はサスペンスフリークのみならず、近年話題を集める“考察モノ”好きの好奇心をくすぐる内容だった。
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