1930年代にイタリアのファッション・デザイナー、エルサ・スキャパレッリが「ショッキング・ピンク」と名付けた自身の色彩を発表し、世界に衝撃を与えた。
ピンクが女性に色として定着したのは1950年代だ。ドワイト・アイゼンハワー第34代米国大統領の夫人であるマミー・アイゼンハワーが、1953年の大統領就任式でピンクのロングドレスを着たことがきっかけとなった。 この年、マリリン・モンローが映画「紳士は金髪がお好き」で着用したピンクのドレスは、女性らしさの象徴といわれた。
ピンクはその後、政治的な色としても登場する機会が増えた。2017年には当時のトランプ大統領の政策や言動に抗議する女性たちがピンクを身に着けてデモ行進した。
バービー人形が1959年に登場した際、ピンクは着ていなかった。初代バービー人形は白と黒のストライプの水着を着ている。バービー人形とピンクの関係性が意識され始めたのは1970年代。マテル社がバービー人形のパッケージにピンクをコンスタントに使用し始めたからだ。ピンクがバービー人形の公式カラーとなったのは2008年である。
映画「バービー」の日本での公開は8月11日から。コロナ禍、ウクライナ侵攻による経済の混乱が続く中、ピンク一色に染まって笑い転げるのもいいかもしれない。