「私がニコニコ動画に初投稿したのは中2なんですけど。それよりも前に、実は私は歌自体はちらほらアップロードとかはしてて。Nintendo 3DSで『うごくメモ帳』っていう自分でアニメーションとかを書けるソフトがあって。そこには、インターネットワールドみたいなのがあって。そこに行くとなんかSNS的な、本当にいろんな人のpixiv的な作品が見れて。で、『うごくメモ帳』のことを『うごメモ』って略されていたんですけども。そこで、ニコニコ歌い手じゃなくて、うごメモ歌い手みたいなのもいて。
その時、小6ぐらいの私は自分のパソコンもないし、機材もなかった。でも唯一、自分が持ってる機材としては、3DSがあって。『歌い手、やりたい。けど、できない。えっ、うごメモ歌い手っているじゃん! ここからやろう!』ってなって。私、うごメモ歌い手としてちょっとちらほらやっていて。まあ全然、有名じゃなかったんですよ。自分で絵とか書いたりしてやっていて。
3DSの音質なんて、すごい悪いんですよ。ガサガサですよ。もう、マイクが全部のノイズを拾うみたいな(笑)。「ザー、ザー……」って音がずっと流れている中、無理やり歌ってる。ずっと砂嵐みたいな音質で。それで音源を流しながら投稿して……。それでそこから、自分で知識とかも得てようやく中2で完全歌い手デビューみたいな感じで。だから『ネットに自分を出し始めた』のは小5、小6あたりの3DSからで。
でも3DSっていうあんなちっちゃい機械でね、大きいサイバーに飛び出せるっていうのは改めてすごいなって思うし。なんならそこのうごメモで活動してた人が今ではもう、ネットで有名な漫画家さんになっていたり、ゲームクリエイターになったり。任天堂さんのあの小さな小さな機械でいろんな才能が育まれていたっていうのもあって。