ポイント3 通算支払限度日数も忘れずにチェック!

医療保険の比較検討をする場合、入院給付金の「通算支払限度日数」についても確認しておきたい。これは保険期間を通して受け取ることができる入院給付金の日数の上限を意味するものである。

例えば、「通算支払限度日数1,000日」の医療保険に加入した場合、通算して1,000日まで入院給付金の支払いを受けられることになる。

ちなみに、『2014年 患者調査の概況』において発表された平均入院日数31.9日でこれを割ると、約31回入院できる計算になる。180日おきに31日間の入院を31回繰り返したとしても、18年の歳月を要することとなるのだ。「通算支払限度日数1,000日」というとやや頼りないようにも感じるが、こうして具体的にシミュレーションしてみると、通算支払限度日数に達する可能性がかなり低いことがよくわかるだろう。

医療保険の通算支払限度日数は、商品によって異なる。保障内容も保険料もほぼ同じでどの商品を選べばいいのか迷っている場合は、通算支払限度日数に着目してみてはいかがだろうか。

ポイント4 手術給付金倍率についても確認を

多くの医療保険では、手術を受けた場合にも給付金が支払われる。ただその金額は商品によって異なり、「入院手術〇〇万円・外来手術〇〇万円」といった一律定額タイプのものもあれば、「手術の種類により入院給付日額の〇倍」といった倍率変動タイプのものもあるのだ。

例えば、入院日額1万円、入院手術10万円、外来手術5万円という保険に加入していると仮定する。乳がんの治療のために12日間入院して手術を受けた場合、支払われる保険金は合計22万円になる。一方、入院日額1万円、入院手術給付金倍率20倍、外来手術給付金倍率5倍という保険に加入している場合、合計32万円の保険金が支払われるのだ。

入院日数が減少傾向にある現在、手術を受けた場合にまとまった給付金が支払われるというのは、かなり魅力的であろう。保険会社によっては手術の種類別に細かく倍率を設定している場合もあるため、医療保険を比較検討する際はこの点についても入念にチェックすることをおすすめする。

ポイント5 特約についてはどう考えるのか

医療保険には、以下のような特約を付加することができる。

  • 先進医療特約……先進医療を受けた場合にその治療費が給付される
  • 通院特約……入院給付金の支払い対象となる入院をし、退院後引き続き通院をする場合に、日額〇〇円という形で給付金が支払われる
  • 入院一時金特約……入院給付金の支払い対象となる入院をした場合に、一時金が給付される
  • 特定疾病診断給付金特約……三大疾病など、特定の疾病になった場合に給付金が支払われる
  • 女性疾病入院特約……女性特有、女性に発症しやすい病気で入院した場合に、給付金が支払われる
  • 三大疾病保険料払込免除特約…三大疾病になり保険会社所定の状態になった場合に、以後の保険料の払込みが免除される
  • 介護特約……保険会社所定の介護状態になった場合に、一時金や年金が給付される どの特約も魅力的で、あれもこれもつけたくなるかもしれないが、当然、付加する特約が増えれば増えるほど保険料は高くなる。特約の考え方も、基本的には入院給付日額のそれと同じである。病気になった場合にどのくらいのお金がかかるのか、そのためにどのような備えをしておくべきなのかという点について検討すると、どの特約を付加すべきか判断しやすくなるのではないだろうか。