ポイント2 1入院あたりの支払限度日数の決め方とは?

医療保険を比較検討する際、見落としがちなのが1入院あたりの「支払限度日数」である。これは、1回の入院に対して支払われる入院給付金の「日数」に関するもので、「支払限度日数60日」となっている場合、病気で90日入院したとしても入院給付金が支払われるのは60日分となる。

別の原因で入院した場合の考え方

同じケガや病気で再入院した場合、入院日数については前回の入院と通算し、「継続した1回の入院」として扱うのが一般的だ。ただし、直近の入院における退院日の翌日から180日を経過した後の再入院については、新たな入院として扱われる。

ここで問題となるのが、直近の退院日から180日以内に「異なる原因」で入院した場合の考え方だ。この点については、生命保険会社によって2通りの考え方がある。別の原因による入院であっても「継続した1回の入院」として扱う商品と、「別の入院」として扱う商品とがあるのだ。

入院給付日額1万円・支払限度日数60日の医療保険に加入している人が、肺炎で20日入院し、その1か月後に胃がんで50日入院したと仮定する。この場合、前者の商品であれば2つの入院を継続した1回の入院と考えるため、支払われる入院給付金は60万円となる(60日分)。一方、後者の商品の場合、肺炎による入院と胃がんによる入院を別の入院として考えるため、70万円(70日分)が支払われる。

支払限度日数が同じでも、別の原因で入院した場合の取り扱いの違いによって、受け取ることができる入院給付金の額が大きく変化するのだ。

「1回の入院」の定義を確認することが大切

上述のように「1回の入院」の定義は、生命保険会社によって異なる。そのため医療保険を比較検討する際は、別の原因で入院した場合の取り扱いについて必ず確認しておくことをおすすめする。

近年は入院日数が減少傾向にあり、厚生労働省が発表した『2014年 患者調査の概況』によると、入院日数の平均は31.9日となっている。また平均入院日数を傷病別に見ると、新生物によるものが18.7日、糖尿病が35.3日、呼吸器系疾患が27.3日、循環器系疾患が43.3日となっている。

医療保険の支払限度日数は30日、40日、60日、120日、といったものが一般的だが、上記のデータからすると60日もあればおおよその疾病には備えられるだろう。医療保険の保険料は、支払限度日数が長くなればなるほど高くなる。保険料を抑えつつ十分な保障を手に入れたいという人は、支払限度日数を短めに設定しつつ、異なる原因による入院を「別の入院」として扱う商品を選択してはいかがだろうか。