「女性単独主人公の大河ドラマは、近年では宮崎あおい主演の『篤姫』(2008年)が成功例で、その波に乗って2011年からは奇数年に女性主人公の作品がつくられましたが、『篤姫』は全話平均24.5%だったのが、2011年の『江 ~姫たちの戦国~』で17.7%、2013年の『八重の桜』で14.6%、2015年の『花燃ゆ』で12.0%とどんどん下降し、2017年の『おんな城主 直虎』も12.8%でした。ここで一旦、女性主人公の流れが途絶えており、『光る君へ』が7年ぶり女性主人公ということで期待したいところですが……史料も少ない平安時代が題材で、しかも主人公は紫式部ということで、現時点で注目度はあまり高くない。松本潤主演で、歴史モノの経験がなかった古沢良太脚本の『どうする家康』の放送前と似たような雰囲気があります」(テレビ誌記者)

 また、御年71歳の大物脚本家も不安要素のようだ。

「主演・脚本・制作統括・チーフ演出がすべて女性という大河として初の試みもある意欲作ではありますが、過去に大河『功名が辻』(2006年)も手がけている脚本の大石静さんのセンスが大丈夫かという声もあります。というのも、今年1月に放送された吉高主演の『星降る夜に』(テレビ朝日系)も脚本を担当していましたが、聴覚障がい者とのラブストーリーかと思いきや、医療過誤の疑いの裁判、引きこもり、産婦人科医、遺品整理士など要素を詰め込み過ぎていて、ラブストーリー部分は評価されていたものの、それ以外の要素が邪魔だと指摘されることも多かった。コメディパートもクセの強いネタが目立ちましたし、やたらと下ネタが出てくるのも賛否ありましたね。『光る君へ』は権力闘争を背景とした〈平安時代のセックス&バイオレンス〉がテーマだそうですが、大河は1年かけて放送する作品だけに、『星降る夜に』のように話がゴチャつかなければいいのですが……」(同)