しかし、初回放送は世帯視聴率15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、前作の『鎌倉殿の13人』から1.9ポイントダウンとなっただけでなく、歴代大河でワースト2位という記録となった。さらに視聴率は落ち込み続け、3月放送の第9回では早くも11%台に突入。第10回では、裏番組の『2023 ワールド・ベースボール・クラシック』の「日本対オーストラリア」戦が世帯43.2%を記録したこともあり、7.2%にまでダウンという悲運もあったが、その後も10%~11%台を行ったり来たりで、6月25日放送の第24回も10.0%とギリギリ2桁という状態。7月9日放送の第26回までの全話平均は11.6%で、これもまた現状、『いだてん~東京オリムピック噺』に次ぐワースト2位の状態だ。
「武田信玄と衝突する第17回あたりからシリアスな要素が強まり、信長を主役にした『レジェバタ』でも独自の設定・見解を反映させた古沢さんらしく、“新たな視点”により先の読めない面白さも出てきましたが、やはり序盤のコメディテイストの強さと安っぽいCG演出で視聴者が一気に離れた。大河ドラマは視聴者の多くが40代以上で、特にメインとなっているのは60代以上と言われており、一方で『どうする』は若い層を意識した作風にしているため、NHK側も視聴率がある程度低迷することは覚悟の上だったでしょうが、4月~6月期はTBS日曜劇場『ラストマンー全盲の捜査官ー』に2ポイント以上も差をつけられる状態で、さすがに想定外だったのでは。
物語は本能寺の変に差し掛かり、最大の盛り上がりどころですが、5月末からずっと10%台で推移しているところを見ると、ここからの回復の兆しはなさそう。視聴率歴代ワーストとなった『いだてん』は大河ではあまり人気の出ない近代が題材で、一方の『どうする』は“テッパン”のはずの戦国時代、しかも誰もが知る家康が主人公ということで、“実質ワースト級”の失敗と言えそうです。そもそも若年層にアピールするなら松本が主演というのも中途半端ですが……」(スポーツ紙の芸能担当デスク)
『鎌倉殿の13人』の最終回では、家康の愛読書が『吾妻鏡』だったとして松本潤が家康役でサプライズ登場したが、『どうする家康』でも第23回で、正室・瀬名(有村架純)と側室になる於愛の方(広瀬アリス)が『源氏物語』好きという共通項で盛り上がる場面があり、次作への“匂わせ”アピールとも話題になった。しかし、早くもその次作『光る君へ』に不安の声も高まっているようだ。