――大川ひとみさんは、現在80代になられたんですよね。

VIKN それもすごいんですよね。自分のストリートカルチャーの定義って、音楽と服がミックスされて生まれているものという認識なんですけど、そのカルチャーはやっぱりイギリスがオリジナルだと思うんです。

 マルコム・マクラーレンもヴィヴィアン・ウエストウッドももう亡くなってしまったけど、もし生きてたら77歳と82歳。アメリカのそういったアイコンになってる人たちって、せいぜい60代とかなんです。でも、日本には80代の偉大なデザイナーがいて、それがひとみさん。

 だから、世界のストリートカルチャーの偉大な人の中で最高齢なんじゃないかな。

――大川ひとみさんは、裏原ファッションのデザイナーへ与えた影響も大きいですね。VIKNさんは裏原シーンはまさにリアルタイムで見てきているのでは。

VIKN 中学1年生の時、兄貴が原宿のノーウェア関連の服を買い漁っていて、「これいくらだと思う?」とか聞いてくるわけですよ。それが全部3万円とかで、当時1カ月の小遣いが1500円だった自分には衝撃すぎて。「そんなに儲かるのか、夢があるな」と思いましたね。今でいうヤフオクみたいな『QUANT』って個人売買雑誌があったんですけど、それを兄貴に渡されて「お前、これで稼げるから」って。

 そこからファッションに一気にハマっていきました。都市伝説かもしれないですけど、『QUANT』でグッドイナフのスタジャンとベンツが取り引きされたっていう話とかもあったんですよ。当時はマジで驚きました。