3つめは、ヤマダイの「凄麺 夏の辛味噌ねぎラーメン」255円(税別)。麺の美味しさに定評のある「凄麺」ブランドから登場した、夏限定の辛味噌ラーメンです。パッケージ全体に炎が描かれており、かなり暑苦しいですね。

 スープは、豚骨ベースで白味噌主体のまろやか濃厚味で、甘みが強く、スープだけでも十分な個性が感じられます。札幌ラーメンなどご当地ラーメンをはじめ、世の中には多くの味噌ラーメンがありますが、どれにも分類されない味ではないでしょうか。かなり甘いです。

 ニンニクペーストと豆板醤を合わせた辛ダレ。これが強烈な個性を放っており、キレッキレのニンニクがすごいことになっています。口の中での暴れっぷりも、周囲に放つ匂いも異次元。スープの甘みと辛ダレのニンニクが対極になっており、それぞれがお互いを強調させる組み合わせでした。

 辛さは中辛程度でそれなりに強いですが、辛さよりもニンニクが目立っています。地獄のように暑苦しいニンニクでした。

 太くて縮れのついたノンフライ麺。「凄麺」の中でも最高クラスに太い麺で、もちもち食感が強いです。麺のもちもち感と小麦の甘みが、スープのニンニクのキレと真っ向勝負していました。

 具は、フリーズドライのネギと唐辛子。湯戻しによってクタクタになっていきます。時間経過でどんどんトロみがついていき、これがすごく甘くておいしいです。辛ダレの強力なニンニクに対し、スープ、麺、ネギそれぞれの甘みが三位一体になってバランスを取っていました。甘みがニンニクを引き立て、ニンニクも甘みを強調しています。

 当初予想していた辛味による地獄とは違いましたが、ニンニクのパワーがとにかく暑苦しく、そして最高に美味しい一杯でした。個人的には2023年上半期のMVPを差し上げたいくらいです。