これでAERAが最後の1誌になりますが、AERAの部数は週刊朝日より少ない。ネットメディアの『AERA dot.』が堅調なので、AERAを残すという判断のようですが、新聞以外の紙媒体が消えるのは時間の問題です」(前出・週刊誌関係者)

 ただ、これまで挙げた理由はある意味ですべて“些末なこと”。決定的だったのは、時代の風の変化だ。

「団塊世代が世を動かした時代は、戦争への反省からリベラル的な思想への関心が強く、そういった層に呼応する朝日新聞の紙面づくりは評価されてきました。しかし不景気が続く中、2000年代以降にネットが一気に普及すると、右寄りの論調が俄然、勢いを持つようになり、“左寄り”の朝日新聞はネットで叩かれるように。その流れは、慰安婦問題の誤報で決定的になり、それ以降、朝日はネットでは“フルボッコ”状態です。

 現代の雑誌はネットが命。記事がネットでバズれば雑誌も売れますが、良質な記事でも“朝日”という看板があるだけで、ネットでは嫌われてしまう傾向は強かった。近年は編集部の士気も下がっていたようです。しかし、たとえ時代の流れだとはいえ、芸能人のスキャンダルやエロ記事、『独占告白』『衝撃スクープ』とは一線を画した種々雑多の記事が載る総合週刊誌がなくなることは、大衆文化を語る上では大きな損失だと思います」(大手出版社関係者)

 刺激に満ちた世の中に、じっくり読ませる週刊誌の居場所はなかったか。