ネットに押されて週刊誌はどこもジリ貧状態。もともと速報性ではテレビや新聞に劣るだけに、いよいよ存在意義が問われる段階に差し掛かっているが、週刊朝日には自分の首を絞めるような失態もあった。
「週刊朝日を語る上で避けて通れないのが、2012年に掲載された橋下徹氏の特集記事です。当時、時代の寵児だった橋下徹大阪市長(当時)を特集した連載に、橋下氏の出自に触れる記述があり、猛烈な抗議が寄せられたもの。連載中止はもちろん、朝日新聞社が正式に橋下氏に謝罪する騒ぎとなりました。
これについて当時、社内では見本が刷り上がった際、“こんなものを世に出したらとんでもないことになる”という声はあったものの、結果的に雑誌は世に出てしまった。週刊朝日は週刊誌の中でも“良識派”と見られていただけに、一気に信頼を失いました」(フリー記者)
週刊朝日には、社内にも“敵”がいた。
「朝日新聞は1988年に『AERA』を創刊し、一時は『朝日ジャーナル』『アサヒグラフ』を加え、4誌体制の時期がありました。このうちジャーナルとグラフは21世紀を待たずに休刊となりましたが、週刊誌全盛の時代ならともかく斜陽の時代に、読者が被る『AERA』と『週刊朝日』の2誌がある意味は最後までわからなかった。一時は2誌を統合するという話も社内にはあったようですが、うまくいきませんでした。
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