ファンの方達もこのやり取りに惹かれており、「痺れる」や「カッコよすぎる」など称賛の称賛する声が寄せられた。中には「太っ腹」や「何というわらしべ」など少しズレたコメントも混じっていたが、それでも「テンダラー」浜本さんの芸人らしさというか、先輩らしさというか、何とも言えない粋なカッコよさは伝わっているだろう。

 テンダラー浜本広晃さんと言えば、金属バットさんと同じく「THE SECOND」のファイナリストになり、初戦で惜しくも敗退してしまったが、その実力や存在感はまさにファイナリストと言ったところ。アンバサダーである松本さんの「浜本はあんなことあってね。それも込み込みで面白かった」と過去の不倫報道をいじられてしまい、ネットでは「浜本何があった?」と検索する人が多くなってしまい、漫才とは違うところで大きな話題となってしまった。

 僕が芸人をしていた頃、テンダラーさんとは数回お会いしたことがある。最初はNHKで放送されていた「オンエアバトル」。第3回チャンピオン大会のセミファイナルでは直接戦っている。そしてその後は何かの賞レースに参加した際に司会をされていた。同じ番組に出たことがあるとはいえ、全くと言っていいほど交流は無かったのだが、緊張している僕に笑顔で話しかけてくれたことを鮮明に覚えている。ただなんの賞レースだったかはまったく覚えていない。

 大阪ではメジャーな芸人であった「テンダラー」さんだったが、正直なところ東京での知名度はあまり芳しいものでは無かった。しかし「THE SECOND」で久しぶりに見た「テンダラー」さんは、努力を積み重ねていたことが一目でわかるほど進化しており、参加した芸人の中で唯一“名人芸”と言える出来栄えであった。