局アナがフリーに転身する理由の大半は「待遇面への不満」といわれているが、安住アナの場合は局が高待遇でつなぎとめようとし、それが前述のスピード出世や社長との話し合いにつながった。社長との話し合いが満足いくものでなかったら独立していた可能性もあるが、安住アナが納得できるような待遇となったことで局に残ると決意したのだろう。

 だが、当然ながら安住アナ以外のアナウンサーはそれほどの高待遇を受けているわけではなく、それが「離職者が相次いでいる」という状況につながり、人材不足が加速しているようだ。

 TBSの男性アナでは、若い世代を中心に認知度が高かった国山ハセンが「将来のエース候補」と称されるほどの有望株に成長していたが、昨年いっぱいで退社し、現在は映像プロデューサーやタレントとして活動している。ほかにバラエティから報道までこなせて人気・好感度も高い安住アナのようなタイプはあまり見当たらず、そうした事情もあってか、安住アナは月曜~木曜まで『THE TIME,』、土曜は『情報7daysニュースキャスター』、日曜は『安住紳一郎の日曜天国』と週6で生番組を担当する多忙ぶりが続いている。