繰り返すな、素人外交の愚
繰り返すが、外交と安保は国の専管事項である。地方自治体が独自の外交をしようにも自ずと限界がある。島根県が2005年に条例で2月22日を「竹島の日」と制定し領有権の確立を目指すも、韓国の激しい反発を招き、日本各地の地方自治体で予定されていた日韓の交流イベントが相次いで中止に追い込まれる事態となり、日韓の外交問題にまで発展した。
日本の例ではないが、昨年9月に亡くなった英国のエリザベス女王の伯父で、離婚歴のある米国人のウォリス・シンプソンと結婚するために王位を放棄したエドワード8世もヒトラーのナチス・ドイツに理解を示すなど危険視された人物だった。
退位に伴い、ウィンザー公爵となり、1937年6月にシンプソン夫人と結婚。結婚直後の夏には夫人を伴いドイツを訪問、ヒトラー、ゲーリング、ゲッペルスなどのナチス政権の要人と会った。退位後、ウィンザー公夫妻はパリに住んでいたが、1940年5月にドイツ軍がフランスに侵入すると中立国のスペインに移った。
ドイツ側は英国を屈服させた暁には、ウィンザー公を傀儡の英国王に再び即位させることを検討していた。こうした動きを察知したチャーチル首相はウィンザー公をバハマ総督に任命する。夫妻は同年8月にはポルトガルからバハマに向け出港、第二次世界大戦が終了するまで留め置かれた。
チャーチルという強い指導者がいたからこそ、ウィンザー公夫妻は欧州から遠く離れたバハマに追いやられ、ナチス・ドイツに政治利用されることもなかった。
現在の沖縄にチャーチルはいない。玉城知事に今の時期の訪中が如何に危険で、中国に政治利用される可能性が高いかをきちんと伝える忠臣もいない。