一方で、個人の所得は賃上げが実施されても、物価上昇に所得増加が追い付かず、物価上昇の影響を除いた実質賃金は22年4月以降、13カ月連続で前年同月比での減少が続いている。
物価上昇にはさまざまな要因がある。詳細な説明は割愛するが、物価を押し上げる大きな要因の1つとなったのが輸入物価の上昇だ。資源を中心に原材料のほとんどを輸入に頼る日本では、輸入物価の上昇が消費者物価の上昇につながる。
国内企業物価指数(旧卸売物価指数)は輸出物価と輸入物価から構成されており、このうち輸入物価を見ると、円ベースの輸入物価指数は21年2月まで前年同月比で下落していたが、3月から上昇に転じる。その後、輸入物価は上昇力を強め、22年7月には前年同月比49.2%の上昇でピークを迎えた。
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