そして決勝戦、マシンガンズvsギャロップ。「事実上の決勝は終わりました」と自虐から始まり、松本さんにハマっていない不満を冒頭で話して、ネタがないと不満を言い続け、お客さんを盛り上げていく。お客さんの感度は凄く良い。凄いウケていたが負けてしまった。ポイントはウケていた場所を言語化して無効票にしてしまった部分にあったのかもしれない。賞レースは誰もがウケたまま優勝するわけではなく、やはり勝ち上がっていくにつれ、ネタが明らかに弱くなる場合もある。しかし、そこで勝ち切り優勝する場合もある。
マシンガンズは現場のお客さんの笑いの量を常に肌で感じながらコントロールしていた。それが3本ネタをやれた技術でもあるのだが、ちょっと盛り上がりが欠けたことに対して「ちょっと笑いが少なくなってきましたね」と言語化してしまった。現場のお客さんはその言葉で盛り上がるのだが、脳裏には盛り上がっていないの文字が刻み込まれてしまったのかもしれない。
そして、時間があるからもうちょっとネタをやろうと漫才中に話し「俺そんな振りで漫才やるの恥ずかしいよ」と自らの漫才の構成にツッコむという部分も入れてしまった。そうなってくるとお客さんはいい漫才をしたという認識から離れてしまったのかもしれない。さらに「ネタがない」という話題の部分に重くのしかかり、ネタなのか、本音で偶然ウケているだけなのか、お客さんが評価しづらくなってしまったのかもしれない。
246対276で圧倒的にギャロップが優勝した。笑いの量ではマシンガンズだったが、信念を貫き通してギャロップの漫才に軍配が上がった。結果、自らの漫才をも腐してしまったマシンガンズに点数を入れる人が極端に減ってしまったという事なのか、それともテレビで見たので現場はもっと違う事になっていたのかは分からない。