釣れなかったくせに至れり尽くせりの中丸

 というわけで1時間が経過し、「なかまる印」は再開された。きっと中丸は大物を釣り上げているだろうし、カンパチあたりの魚で舌鼓を打つのか?

「はい。ちょっとねえ、釣りやってたんですけど、結論から申しますと釣れませんでした」(中丸)

 結論を申し上げるのが早い中丸。ただ、代わりに釣り名人たちがたくさんの魚を釣り上げていたらしい。この釣れたてを、まずは、お刺し身でいただくようだ。自分は釣れなかったが、名人のおこぼれを頂戴する中丸。いわば今回は、中丸は釣れなかったけども、プロの方々が釣ってくれた魚をいただく回である。

 また、見るからにおいしそうなのだ。筏の上で潮風を感じながら、カワハギのお刺し身を食べた中丸。

「あぁーーっ、すっっごい!」(中丸)

 すごい叫んだ中丸。大声出しちゃうおいしさである。身がプクプクふっくらしているし、うまそうすぎるお刺し身。どれほど美味かは、中丸の眉間のシワが物語っている。

 そして、すぐさま差し出されたアジのお刺し身。わんこそば形式でお刺し身を出されるシステムが、なんともうらやましい。

「あー、打って変わって!」(中丸)

 なんだ、そりゃ。試食後の第一声が、「打って変わって」。食レポ史上、初めての語彙じゃないか? カワハギとは打って変わって……ということなのだろうが、日本語として自由すぎる。