是が非でも自分たち、そして記事との関係を否定したいらしい。4代目市川猿之助が母親の自殺ほう助の容疑で逮捕、東京地検に送検されたが、そもそもの発端はもちろん「女性セブン」のスクープ記事にあると見る向きは強い。「セブン」は6月1日号(5月18日発売)で「歌舞伎界激震の性被害! 市川猿之助 コロナ拡散濃厚セクハラ」との記事を掲載、猿之助の卑劣なパワハラ・セクハラ、そして梨園の悪しき体質をあぶり出した見事なスクープだった。
その後の“猿之助一家は心中”はもちろん「セブン」にとっても予想外で、衝撃的だったはずだ。しかし時に予想外の大騒動が起こってしまうのも、週刊誌やスクープ記事の宿命でもある。もちろん“心中事件”も「セブン」が責任を負うものではない。むしろ、それだけ影響ある出来事や問題をスクープし、世に問うことができたのだから、堂々としていればいい。そして心中事件の背景にあったものを、さらに記事にすればいい。
でもね。「セブン」は事件が起こってから、ずっとなんだか腰が引けちゃってるんだよね。っていうか、事件とスクープ記事の因果関係をできるだけ否定しようとしている。今週もそうだ。
今回の記事では「セブン」が猿之助のセクハラ・パワハラを取材している頃、猿之助はすでにそれを知っていて関係者に箝口令をしいたり、関係者と協議したりしていて自殺するようには全く見えなかったこと、また歌舞伎界は世間とは違う“非常識”がまかり通る世界だと指摘した上で、歌舞伎関係者のこんな証言を掲載している。
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