物語の舞台となるのは、18世紀後半の東北の寒村。折からの冷害で、村人たちは食べる物に困っていた。そんな村の中でもいっそう厳しい生活を強いられているのが、伊兵衛(永瀬正敏)、娘の凛(山田杏奈)たち父子だった。先々代が罪を犯したために、田畑は奪われ、死体を埋めるなどの不浄の仕事を請け負うことで生きながらえていた。貧しい暮らしながら、目の不自由な弟の庄吉(込江大牙)と一緒に草鞋を編んでいるとき、凛は心の安らぎを感じている。
ある日、飢えに耐えられなくなった伊兵衛は村の米を盗んでしまい、村の重役(でんでん)らに咎められる。村での窃盗は重罪だ。伊兵衛の罪を身代わりに被ったのは、娘の凛だった。凛は村を出て、山へと向かう。村人たちが決して足を踏み入れることのない山奥の神聖な森で、凛が出会ったのは異形の姿をした山男(森山未來)だった。
一方、凛が去った後の村では翌年も冷害が続き、神様に若い娘を人柱として捧げることが決まる。誰を人柱にするのかで、村は紛糾することになる。
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