企画は、ある意味で対決の構図のように進んでいく。ウソのエピソードを即興で語らなければならない年長世代は言いくるめられるのか、昭和当時でもアウトだっただろうあまりにもありえないウソを紹介される若者世代は見破れるのか、勝つのはどっち、みたいな。昭和世代側が即興で語らなければならない状況がそんなゲーム性を生んでいて、企画の設定の妙も感じる。年長者が一方的に若者を騙す、みたいな構図に結果としてならないところも絶妙だ。ある意味どちらもドッキリにかけられているようなものだから。

 ただ、単なる検証企画ではなく対決構図の面白さが生まれたのは、何より2人の出演者のパフォーマンスによるところが大きいかもしれない。

 昭和世代の側で目を見張ったのは伊集院光である。プレゼンターとして伊集院が紹介したのは昭和の電車の映像。昔はいま以上に電車が混雑していたから、電車に乗り切れない人は車両の屋根の上に乗っていたとか、運転手も朝の混雑時には屋根の上に乗る乗客に配慮してカーブはスピードを緩めて走っていたとか、そんな嘘八百が並べられる。

 もちろん、合成された映像と「乗り入れ整備が進んでいなかったことが主な原因」といったナレーションで、それっぽく紹介される。ただ、あまりにもありえそうにないエピソードだ。VTRを見た山之内すずは、いきなり企画の正体を見破るようなコメントをする。