本作は元々、宮藤が『木更津キャッツアイ』(TBS系)や『俺の家の話』(同)といったTBSドラマを作ってきた磯山晶(プロデューサー)と金子文紀(チーフ演出)と共にNetflixで配信するドラマとして企画がスタートしたが、途中から『大恋愛~僕を忘れる君と』で磯山、金子と組んだ大石静が参加し、共同で脚本を執筆することとなった。

 いくつかのインタビューによると、脚本は各話で分担するのではなく、全話をブロックごとに分けて、執筆したものを相手に渡してお互いが加筆修正を加えるというやりとりを繰り返すリレー形式で書かれたという。

 あらかじめお互いが得意とするパートを振り分け、お互いの長所を生かす型で執筆したそうだが、全話の印象でいうと、作品全体を覆うコメディテイストと芸能界の内幕を小ネタとして見せていく手法には宮藤の世界観が強く表れているように感じた。

 中でも黒澤ゆいが国民的人気女優になったドラマ「巫女ちゃん」のタイトルや設定は、宮藤が執筆した連続テレビ小説(以下、朝ドラ)『あまちゃん』(NHK)を彷彿とさせるものがあり、次第に愛媛という地方が物語の中心となっていく展開も『あまちゃん』の延長線上にある物語だったといえるだろう。一方、男女のメロドラマと政治劇の描かれ方は『セカンドバージン』(NHK)等の不倫ドラマの名手として知られる大石の色が強く出ていると感じた。