とまあこのような「容姿イジリ問題」の根本的な話は、お笑い好きやお笑いに興味がある人ならすでに何かしらの記事を読んでおり、今さらと思われる方も多いと思う。なので今回はお笑いにおける「ルッキズム」なのだが、「容姿イジリ」等に注目するのではなく、お笑い芸人にとって「ルッキズム」は必要かどうかを元芸人目線で分析していきたいと思う。

 僕の考えでいうとお笑い芸人に対して「ルッキズム」は間違いなく必要だ。勘違いしないでほしいのは、芸人が見た目で笑いをとったり、他人の容姿を笑いに変えるという話ではなく、芸人全般において売れる為に見た目は重要なファクターであり、売れているもしくは売れる芸人のほとんどがこの芸人ルッキズムをクリアしている。

 芸人が身につけなければいけない見た目の重要ポイント、それは「清潔感」だ。先述した通り、売れている芸人やこれから売れそうな芸人、人気がある芸人のほとんどがこの「清潔感」を持っているといっても過言ではない。

 売れ始めた芸人の見た目が段々と良くなっていくという現象を見たことがあるだろう。もちろん芸人自体が自信に満ち溢れている為に見た目が良く見えるということがあるかもしれないが、ほとんどの場合、売れ始めると着ている服装の値段が上がり洗練されたものになっていったり、今までは自分で散髪したり、1000円カットを利用していた芸人が美容院や専属の美容師さんに髪を切ってもらったりする。そうなるとどことなく汚らしく見えていた容姿が、一定の水準を超えてとても清潔で好感が持てるようになるのだ。