発表文によると、血液は赤血球、白血球などの細胞成分(血球)とタンパク質、ビタミンなどが溶けた液体成分(血漿)からなり、血漿中にはタンパク質「アルブミン」が豊富に存在し、血液の浸透圧や循環血液量を維持する役割を担っている。

 アルブミンは動物血漿中に最も多く存在する単純タンパク質で、血漿中にあるタンパク質の約60%を占め、血液の浸透圧維持や各種内因性・外因性物質(代謝産物や薬物など)の貯蔵運搬の役割を担っている。

 人間の場合、献血で集められた血液から分離したアルブミンは製剤化され、臨床で広く使用され、肝臓の異常に伴うアルブミン産生の低下や、腎臓の異常によりアルブミン濃度が低い状態(低アルブミン血症)になった患者にアルブミン製剤を投与する。他にも、敗血症、肝硬変に伴う難治性の腹水、難治性の浮腫、重い熱傷の治療にも用いられる。

 だだし、例えばイヌの場合、原料となるイヌの血液(血漿)を安定的に確保するのは困難なため、これまでイヌ用のアルブミン製剤はなかった。