涼子が動画を詳しくチェックすると、見覚えのあるマークがあった。名刺を探すと、それはアリアというヒプノセラピーサロンのマークだっだ。涼子は、後輩弁護士の谷川俊也(長田成哉)から紹介されたことを思い出し、谷川を探る。すると、涼子が抱えていた顧客を暴行事件後、すべて谷川が引き継いでいたことがわかる。これが狙いかと涼子は谷川が犯人だと疑うが、そのさなかに転落死してしまった。しかしそれでも涼子は、アリアがあった物件を扱っていた不動産会社から、リバーエンドコーポレーションという会社のCEO・山田隆史という人物の関与を掴む。そして涼子がリバーエンドを訪れると、そこで見たのは例の催眠動画の続き。催眠をかけていたのは、涼子の相棒であるはずの貴山伸彦(松下洸平)だった――。
この裏には、山田隆史こと氷川玲児(阿部亮平)が関わっていた。元半グレの氷川は、かつて闇バイトの元締めをしていたとき、父親が犯罪者の汚名を着せられたまま昏睡状態となってしまったためにまともな働き口が見つからなかった貴山を雇っており、涼子に後催眠暗示をかけさせたのも氷川の指示だった。そして日本に戻ってきた氷川は、IQ140の貴山の頭脳をふたたび利用しようと、「仕事」を手伝えと貴山に言う。氷川は涼子に「ゲーム」を仕掛けていた。催眠動画を涼子の携帯電話に送ったのも氷川だった。断れば涼子に危害が及ぶと思った貴山は、涼子に上水流エージェンシーを辞めると伝えて、氷川のもとに行ったのだった。
しかし貴山は、氷川の詐欺の片棒を担がされることに良心の呵責を感じ、逆らおうとする。氷川に囚われた貴山。そして氷川は「ゲーム」を続けており、涼子に氷川の影を追うようヒントを与え、谷川にたどり着くと谷川を殺し、リバーエンドのオフィスにたどり着いた涼子に、後催眠暗示をかけたのが貴山だったとわかるフル動画を見せる。瞬時に発揮される分析力で修羅場をくぐり抜けてきた貴山を精神的に追い詰め、涼子すら意のままに操る策士の氷川。登場回数は少ないもののコメディ要素のある本作品で異彩を放つ危ないキャラクターで、一躍ラスボス候補に名乗りを挙げるほどの存在感を見せた。
貴山にずっと騙されていたと知って、唖然とする涼子。涼子に弁護士資格を失う暴行事件を起こさせたことを、そしてずっとそのことを黙ってきたことを悔やむ貴山。だが、その貴山の窮地を救うのは、ほかでもない涼子だった。貴山は念のため、捜査一課に復帰した丹波勝利(丸山智己)にすべてを伝えており、自分と氷川のスマートフォンを交換することで、自分の身に何かあっても氷川の位置情報がわかるようにしていた。そして丹波は涼子に貴山の身の危険を知らせたのだった。丹波の活躍もあって、氷川から解放される貴山。