――このような問題点がある中で、私たちはどのような姿勢でK-POPアイドルたちを応援すればいいのでしょうか。

DJ泡沫 昔は、ファンがアイドルと触れ合えるのはライブやイベント会場だけで、それ以外は一方的に雑誌やテレビなどを見て応援するしかなかった。しかし、今はSNSやネットでの生配信など、アイドルが“リアル”を見せ、ファンと交流することが当たり前になりました。ゆえにファンはアイドルと心理的距離が近くなったと感じ、友達のようなラフな感覚で言葉を投げかけるので、それによってアイドル自身を傷つけてしまうことも増えたのだと思います。

 あくまでファンから見えてるのはアイドルの一部ですが、全て知っているような錯覚に陥りやすいので、そこを冷静に自覚する必要があるでしょう。

 ファンが事務所やアイドルに意見を言えるのは確かに大事なことです。しかし一方で、ファンやネット民の一方的な臆測によりアイドルが炎上することもある。韓国では、ファンが事務所相手だけでなく、アイドルに直接抗議するために、抗議用のトラックを走らせるケースもあるんです。アイドルにアドバイスしたり、メンバーの代わりに事務所に怒ったりすることが「アイドルのため」「ファンの義務」と思い込んで、暴走する人もいるように思います。アイドル業はファンとの関係性をビジネスに組み込んでいるところもあるので、こういったファンが出てきてしまうのも致し方ないかもしれませんが、行き過ぎた言動は避けるべきことです。

――アイドルを応援する上で、自分を見失わないようにしたいですね。

DJ泡沫 アイドルとファンの関係は特別なものだと思います。一定の距離感をキープし境界線を壊さないように意識すると、良い関係を築くことができるのではないでしょうか。