フィクションを“ほんとうのこと”にしてしまう言葉の魔術師、それが街裏ぴんくだ。突拍子もないワンダーな空想も、彼の話術にかかれば脳内映像として勝手にプレイされ、気づいた頃には観客は笑いの渦の中で溺れていく。

 ウソ漫談という、虚構と事実の境目を曖昧にしていくファンタジックなネタで、お笑いファンのハートをがっしりと握りつぶす街裏ぴんく。そういえば、ネタ中にその魅力的な歌声もしばしば披露する。知る人ぞ知るオリジナルソング『チャーハンの歌』なんて歌ネタも持っている。

 街裏ぴんくに音楽とのかかわりについて聞いてみたい。今回だけは、ウソは封印して。そうお願いして話を聞いていくと、芸人・街裏ぴんくの原点に歌があったことがわかった。