【3】フルタイムで働けないことに引け目があって周囲に相談できない

悩み事がある際は、身近な仲間に自分の気持ちを打ち明けてすっきりしたいものですよね。今のAさんの「フットワーク軽く働けない」というもやもやも、周囲の同僚に気軽に相談して解決できたらどんなに良いでしょうか。

ただ、おっしゃるとおり、フルタイムの同僚の手を止めてまで相談してよいものか、躊躇してしまいますよね。

育休明け、時短勤務で思うような成果が出せない

私自身は復職した際、誰にも相談できず、大失敗しました。私はフルタイムで勤務していたのですが、それでも以前よりは勤務時間が短くなっていたため、仕事が全然終わらなかったのです。

そのため、子どもが起きる前と、子どもの就寝後に残業。すると、もともと子どもの夜泣き対応で睡眠時間が少ない中、ますます眠る時間が削られ、日中全然頭が回らない状態に……。

生産性がガタ落ちして焦る中、周囲から「お願い」と言われると仕事も断れず、今日のToDoリストが30行を超えているのを見て、朝から机で泣いたこともありました。

ある日、もうダメだと思って上司との定例ミーティングで打ち明け、業務整理してもらった記憶があります。

ちなみに数カ月前、当時の同僚たちと話す機会があったので、思い切って自分の気持ちを打ち明けてみたのです。すると、「全然気づかなかった、ごめんね」「言ってくれたら良かったのに」「本当に大変だったね」と、口々に温かい言葉をかけてくれました。

なので、ぜひAさんも勇気を出して周囲に相談してほしいと思っています。

同僚が難しければ、まずはマネージャーに声をかけてみてはいかがでしょうか。部下のもやもや解消は、マネージャーの責任でもあり、やりがいでもあるからです。

自分の歩いた跡が道になる

強いチームづくりに貢献するつもりで声をあげてみて

以前、私のメンバーで、2人目のお子さんを出産して営業に復職した方がいました。

彼女はいわゆる超売れっ子営業で、入社以来ずっと目標を達成しており、会社から表彰されることもしばしば。お客さまからの信頼も厚く、周囲からはいつも羨望の眼差しで見られていました。

もちろん2回目の復職後も、彼女は常に目標達成。ただ、以前に比べて元気がないのです。

心配になって私が声をかけると、「1回目の復職と違って、なかなか効率よく営業ができていない」とのこと。本気で悩み、疲れ切っている彼女を見て、私は表面的にしか彼女を理解できていなかったと心から反省しました。

その後、彼女も交えてチームメンバーで何度か話し合い、彼女が直行直帰で営業行為を完結できるよう、体制を整えました。

彼女はさらに効率よく働くようになり、ストレスも軽減。彼女の働き方は、その後全社の時短勤務モデルとなり、多くの後輩たちがその働き方を真似できるようになりました。

育休明け、時短勤務で思うような成果が出せない

自分の歩いた跡が、道になることもある。「こんなことを言ったら迷惑になるのでは」と遠慮せず、声を出してみてほしいです。

そうやってお互いが自分のコンディションを率直に言い合える組織は、さまざまな方が活躍できるもの。これからは介護や闘病など、いろいろな状況の中で働く方が増えてきます。

どんな状況でも目標達成する強いチーム作りに貢献するつもりで、まずはAさんが気持ちを言葉に出してみてください。

もちろん、ご自身の気持ちを周囲に伝える目的は、自分のコンディションを整えることであり、それによってお客さまのニーズにしっかりお応えし、業績成果につなげてチームに貢献することです。

きちんと目標達成しながらチーム貢献を意識できるAさんの声ならきっと、周囲も喜んで耳を傾けるのではないでしょうか。

以上、3つのもやもやポイントにそってお答えしてきましたが、いかがでしょうか。

時短勤務は期間限定であると割り切って、ご自身の強みを発揮しながら、お客さまとチームに向き合って自分らしく貢献していく。その上で、自分の本音も周囲に伝えてみる。Aさんなら、必ずできるはずです。

営業は、自分自身の人間力が土台になる、難しくて面白い仕事です。今のもやもやを乗り越えた経験も、Aさんの人間力を高める糧にきっとなるはず。今後も営業として輝き続けるAさんを、心から応援しています。

 

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