ところで、テニスプレーヤーの加藤未唯を有名にしたのは、全仏オープンで女子ダブルス試合中に自分がボールガールに返した球が、彼女の顔に当たってしまったことだった。

 故意ではないが明らかなミスで、警告にはなると観客もテレビを見ている視聴者も思ったが、執拗な相手側の審判に対する抗議で「失格」になってしまったのだ。

 これには日本だけではなく、世界各国や有名プレイヤーたちから判定への批判が巻き起こった。 

 加藤は泣き崩れたが、次の混合ダブルスでは、日本人3人目の優勝という快挙を成し遂げたのである。

 京都生まれの京都育ち。京都でも指折りの造園会社の会長が父親だそうだ。だが、小さいときから泣き虫で、新しい境遇にはなかなか馴染めなかったという。

 小学校2年の時からテニスを始めたが、負けると3~4時間も泣き止まなかったそうだ。

 だが次から次と転戦しなければならないため、「忘れる力」が大事だと気付いていったという。

 まだ28歳、楽しみな選手である。