◆夫の“悪事の証拠”を親戚中にばらまいた
「私、夫の両親のウケがけっこうよかったんですよ。夫の両親もいい人たちだった。だから義父母、私の両親から親戚まで巻き込んで夫の不倫をバラしました。彼女からの下品なメッセージや私のSNSに来た悪口メッセージも全部プリントアウトして親戚中にばらまきました。
娘には隠していたけど、たとえ親戚でもおもしろがる人はいるんですね。夫の妹が娘にあることないこと吹き込んで、一時期、娘は私が不倫しているんだと思い込んだ。誤解をとくために夫が不倫している証拠を、夫の目の前で突きつけるしかありませんでした」
残酷なことをしたと思っているとフユカさんは涙ぐんだ。だが、離婚しても親権をとると息巻いていた夫の真実を娘に伝えるしかなかったのだ。
◆私と娘に土下座した夫へ、最後の一撃をお見舞いした
「結局、離婚したんですが、夫には最後に娘に謝るよう伝えました。私の目の前で謝れと。夫は私と娘に土下座しました。娘は泣くばかり。夫が家から出て行ったとき、私は追いかけていって『最後に言いたいことがあるの』と。夫はたぶん、不倫はともかく、今までありがとうと言われるに違いないと推測していたと思います。
私はニッコリ笑って『長い結婚生活だったけど、私、あなたとは一度も感じたことがない。あなたのセックス、ほんっとに下手だから。勉強しないと不倫相手にもすぐ飽きられるよ』と言ってドアをバタンと閉めました。少したってから窓から外を覗いたら、夫はマンション前でうずくまっていた」
その後、不倫相手と結婚するはずだったのにふたりは別れたらしい。あの言葉が効いたのならいいけどと、フユカさんは不敵な笑みを浮かべた。
<文/亀山早苗>
【亀山早苗】
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio