◆ようやくすべてを暴露した陽子、ためが大きかった分、破壊力強し

 ドラマ『夫婦が壊れるとき』第11話ではヒロイン・陽子(稲森いずみ)が、ついに夫の愛人・理央の実家へ乗り込み、夫、理央、その両親の前ですべてを暴露する。前回、死の淵まで行って戻ってきた陽子だからこそ、その腹の据わり方は見事だった。

 夫・昂太(吉沢悠)の会社に多額の出資を予定している理央の父に、昂太の会社は倒産寸前であることをバラし、あげく夫と不倫をしている理央への教育がなってないと母を詰める。

「そういうのはあばずれがすることだって!」

 と啖呵(たんか)を切った陽子。今まで理性を効かせてずっと自分の中でため込んできた分、冷静さに裏打ちされた啖呵の切れ味は鋭かった。さらに理央の妊娠も暴露、両親は呆然とし、理央は「クソババア!」と叫びながら陽子の後頭部を思い切りひっぱたく。昂太は息も絶え絶えといった様子。

◆夫の男としての自尊心も自信も、すべて吹っ飛ばす一言

 そんな状況の中、理央に叩かれて乱れた髪をものともせず、陽子は平然と出された食事をとって席を立った。外に出た彼女を追ってきた夫に向かい、陽子はさらに夫に致命傷を与える。会社の経理について誰から聞いたと追われ、「基樹さんから聞いた」と昂太の友人で会計士の名前を挙げる。

「一度寝たら、全部教えてくれた。彼とセックスしたの」

「オレへの復讐のつもりなのか」

「最初は復讐のつもりだった。でも……(フッと笑って)すごくよかった。あなたよりずっと」

 これは強烈だ。夫の男としての自尊心も自信もすべて吹っ飛ばす一言だ。