◆「人を好きになるのは犯罪か?」開き直る昂太

 だが昂太はめげなかった。自分の不倫は「恋」であると釈明、「人を好きになるのは犯罪か?」と開き直り、「きみがすべて壊したんだ、きみの冷たさが」と陽子のせいにしようとする。そしてこの期に及んでも、「言えなかったのはきみを愛していたから、きみが大事だったから」とすがりつく。

 そして陽子は、息子の凪もすべて知っていると夫に伝える。昂太にはダブルパンチだった。息子に知られているとわかって身をよじった。

 陽子は基樹のところに出向き、妻の朋美が病院のホームページで陽子を中傷したことを暴く。だが朋美は強い。陽子に向かって「あなたを友だちだと思ったことは一度もない」と告げる。そして夫には「離婚はしない。だけどこのままじゃ許さない」と伝えた。

 強いが脆(もろ)い陽子、じっと自分の状況を考えつつ耐えながら最後に一太刀で陽子を切った朋美。女性のあり方もさまざまだ。

◆離婚するなら夫に致命傷を。43歳女性の実話

 夫の不倫で離婚することになったフユカさん(仮名・43歳)。2年前、結婚生活は12年で終止符が打たれた。打ったのは彼女自身だ。現在、彼女は中学生の娘とふたりで暮らしている。

市街を歩く女性
写真はイメージです(以下同じ)
「3歳年上の夫が20代の女性にはまったんです。私たち、平気で携帯を見せ合うほど仲がよくて隠しごともない夫婦だった。それなのにあるときから、夫はいつでもポケットに携帯を入れて、夜になると『コンビニに行ってくる』と出ていく。コンビニに行くなんて、それまでなかったことなのに。

 様子がおかしいと携帯をチェックしたら、メッセージのやりとりが出てきて一発で不倫確定。どういうことなのと問い詰めたら『体だけの関係だし、1回しかしてない』と嘘ばかりついた」

 フユカさんは夫の愛人に会いに行った。彼女は「おばさん、もう別れてあげたら?」と鼻で笑った。フユカさんの怒りに火がついた。