年金は、国民の生活を支える大切なものです。滞納者が増えてしまうと、高齢者の生活が立ち行かなくなってしまうため、国や自治体も未納者に対しては厳しい対応を取っています。では、実際に年金未納を続けているとどのようなことが起こるのでしょうか。具体的に確認してみましょう。

払っていない人、実はこんなに!? 年金未納率と年齢層

厚生労働省の発表によると年金の納付率は年々上昇しています。これは単純に年々督促が厳しくなっていると考えると自然でしょう。納付率は上昇しているといっても、2019年の納付率は76.3%であり、23.7%が未納です。また、同年の世代別の納付率を見ると55~59歳の世代は83.48%が年金を納付しているのに対し、25~29歳の世代は68.16%しか年金を納付していません。
出典:厚生労働省『令和元年度の国民年金の加入・保険料納付状況』

若い世代は、年金に対しての実感が湧きにくいうえ、年々受給額が引き下げられている現状では納付したい気持ちが薄れてしまう面があることは否めないでしょう。

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払っていない人、実はこんなに!?年金未納のリスクを学ぶ(2019/06/30公開)

年金を払わないと何が起こるの?

・将来もらえる年金が減る
年をとったときに受け取れる老齢基礎年金は、それまで支払った額に応じて受給額が決定するため、年金の未納期間がある人はその分受け取れる年金も少なくなってしまいます。

・障害年金が受け取れない可能性がある
年金には、65歳から受け取れる基礎年金のほかに、病気やケガで働けなくなったときに受け取れる「障害基礎年金」があります。これは、年金加入期間の2/3以上の年金保険料の納付または免除、もしくは1年間保険料の未納がないことといった条件があります。
出典:日本年金機構『障害年金』

つまり、年金保険料を払わない未納の状態でいると、もしも病気やケガで働けなくなったときに障害基礎年金を受け取れない可能性があるのです。

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国民年金未納の恐ろしい結末とは?当てはまる人は急いで対策を(2019/05/12公開)

最終的には財産の差し押さえに

国民年金の保険料を滞納してしまっていると、日本年金機構から「早く支払ってください」という内容の手紙が届きます。もし何の対処もしないままでいると、その後、特別催告状、最終催告状、督促状と順に届きます。延滞金や差し押さえなど不穏な単語が並び、どんどん強い文章になっていくのです。

督促状の納付期限を過ぎてしまうと、延滞金がかかって、支払額がさらに増えます。突然、年金事務所から委託されている民間企業から督促の電話がかかってきたり、自宅へ訪問されたりすることも。

それでもまだ無視し続けると、差押予告通知書が来ます。もうこの段階になると、分割納付や免除の相談なども原則受け付けてもらえず、期限までに一括で支払えない場合は、差し押さえが始まります。

差し押さえが始まると、給料口座が凍結されたり、車や家が没収されたり、とにかく未納額に達するまでは、お金になりそうなものをどんどん持って行かれることに。しかもこれは本人だけではなく、世帯主や配偶者の財産も対象です。本人の財産で足りなければ、家族にも迷惑をかけることになってしまうでしょう。

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ピンクの封筒=ピンチ!国民年金の特別催告状が届いたらすぐにやるべきこと(2019/06/04公開)